百万遍知恩寺
京都大学吉田キャンパスから道路を挟んですぐ、進々堂やカフェコレクションと同じ通りにあります。
鎌倉時代に疫病が流行した際に第8世善阿上人が御所で念仏を百万遍唱えたことから、後醍醐天皇に「百万遍」の寺号を賜り、それが近くの百万遍交差点からもわかるよう地名にもなっています。
浄土宗の大本山となっており大きなお寺ですが、子供が走り回っていたりと和やかな雰囲気で、この知恩寺の阿弥陀堂で『真夏のブリーフ』の鈴木が雨宿りをして眠っていました。
「鈴木君、どうしてるだろ?大丈夫かな?」
心配になって電話をかけると、鈴木は百万遍知恩寺の阿弥陀堂にいるらしい。そんなところで何をなむなむ拝んでいるのかと思うが、寺の境内で淋しく雨宿りをしている鈴木の姿を想像するとかわいそうな気にもなる。彼女は手遅れになったときにかぎって優しさを発揮する人である。
「鈴木君、もういいよ」と彼女は言う。「水玉ブリーフのおじさんはどこかへ行っちゃったし……。徹夜で疲れてるんでしょ? 雨が止んだら帰って」
ー「四畳半王国見聞録」『真夏のブリーフ』p.91
鈴木は阿弥陀堂に座って境内をぼんやり眺めている。
彼は三浦さんの恋人というわけではない。彼の定義によれば同じ研究室の研究仲間である。一方で詭弁論部の後輩たちに言わせると、彼は奴隷であるという。芽野は「男女の関係には三種類しかない。恋人か、赤の他人か、奴隷です」と極端なことを言う。
ー「四畳半王国見聞録」『真夏のブリーフ』p.99


