南座

南座

IMG_0657
IMG_0668
previous arrow
next arrow

江戸時代初期から存在する歴史ある劇場で、歌舞伎をはじめとしたジャンルを問わない様々な演目が公演されています。四条大橋交差点にあり、夜はライトアップも綺麗で威風堂々とした佇まいです。
「有頂天家族」で矢二郎が赤玉先生のつかいで弁天様を矢文で呼び出しました。つい屋根の上に人がいないか確認してしまいます。

「南座ですよ」
 私は出ていこうとする弁天に言い募った。「先生はあそこにいますよ」
 彼女が急に般若のような恐ろしい顔をして、カウンター越しに私の胸ぐらを掴んだ。「会うか会わないか、そんなのはあなたの知ったことではないでしょう」と彼女は言った。

ー「有頂天家族」p.37

 あのつるつるした塔へ登ったらどんなものだろうと考えていると、その塔のてっぺんに弁天が通りかかった。そのまま彼女は「菊水」の塔を踏み台にして、ぽうんと大きく跳ね、祇園の明かりを股にかけ、南座の大屋根に飛び移った。昼に焼けた瓦がまだ熱いであろうと私は思ったけれども、弁天は涼しげな顔をしてついつい瓦を踏んでいく。
 大屋根の南側へ赤玉先生がようやく姿を現したけれども、よくも南座の屋根まで辿りつけたものだと思われた。もはや気息奄々たるありさまで、身体中の螺旋がゆるんだように震えている。偉大なる赤玉先生、ほとんど死力を尽くしての登頂だ。不幸なことに傾斜のきつい屋根では上等の黒塗り洋枚を使いこなすこともできない。当然、四つん這いとなる。威厳をもって弁天を迎えんとする気迫は先生の全身から滲み出ていて、それを認めるにやぶさかではないけれども、相手の足下に這い蹲って、いかにしてこの一方的な恋の負け戦を逆転へ持ちこむつもりか。まさに手に汗握るものがあった。

ー「有頂天家族」p.43

聖地情報

○住所
〒605-0075
京都市東山区四条大橋東詰

○最寄
京阪電鉄「衹園四条」よりすぐ
阪急電鉄「京都河原町」より徒歩3分

○公式サイト
https://www.shochiku.co.jp/play/theater/minamiza/

タイトルとURLをコピーしました